ENSとは?仮想通貨アドレスを人に伝えやすくする「yourname.eth」入門

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Rukkayah Jigam
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仮想通貨で送金するとき、受取先アドレスが「0x71C7656EC7ab88b098defB751B7401B5f6d8976F」のような長い文字列だと、送信前に一瞬ためらった経験はありませんか。一文字間違えるだけで資金が消えてしまうことも。ENSは、その不安を解消するために生まれました。

ENS名とは?

ENSはEthereum Name Serviceの略称です。イーサリアムのブロックチェーン上で動作する分散型のネーミングシステムで、人が読める名前をブロックチェーンアドレスに変換します。42-character hex stringをコピー&ペーストする代わりに、`tangem.eth`のような短い名前で仮想通貨を送れる仕組みです。

 

これがENSの基本的なアイデアです。短く覚えやすい名前でウォレットアドレスを指定できる、まるで「tangem.com」のようなドメイン名がサーバーのIPアドレスを指すのと同じ感覚です。ENS名は「他人に伝えるための名前」であり、送金先そのものではありません。実際の取引時には、ウォレットが内部で本当のアドレスを参照しています。読みやすい名前はコピー間違いを減らしますが、送金前の確認作業そのものを省略できるわけではありません。

 

「.eth」という末尾が一般的です。名前を登録し、ウォレットアドレスと紐付ければ、誰かがその名前に送金した際、自動的にあなたのアドレスに届きます。ただし、ENS名はnotウォレットアドレスそのものではなく、あくまで「指し示すラベル」です。実際のアドレスは裏側に存在し、ENS名はその上に乗る人間向けの名前にすぎません。

ENSの解決(リゾルブ)の仕組み

ENSのコアとなる仕組みはaddress mapping(アドレスの紐付け・解決)です。ウォレットの送信画面で「tangem.eth」と入力すると、ウォレットがENSに問い合わせて、その名前に紐付いたウォレットアドレスを取得し、送金先として利用します。

 

たとえば「alice.eth」宛てに500 USDTを送る場合、ウォレットはまず名前を読み取り、紐付いたアドレスを見つけて、そのアドレス宛てに送金処理を準備します。送信前に、必ず表示されたアドレスを確認してください。ENSは入力を簡単にしますが、ブロックチェーンが受け取るのはあくまで実際のアドレスです。実際の流れは、ウォレットアプリで「送信」を選び、長いアドレスの代わりに「alice.eth」と入力するだけ。アプリがバックグラウンドで名前を解決し、見つけたアドレスを表示してから、あなたが最終確認して送金します。16進数の長い文字列を見なくても済みます。

 

ENSは1つの名前に複数のアドレス情報を持たせることもできます。1つの「.eth」名にETHアドレス、ビットコインアドレス、ソラナアドレスなど、複数のチェーンの情報を同時に登録可能です。つまり「alice.eth」はネットワークごとに異なるアドレスを指し示せます。これらのレコードは資産ごとに限定されず、ETHだけでなくビットコインやソラナのアドレスも追加できます。ただし、どのレコードを解決できるかはウォレット次第です。だからこそ、実際に送金用アドレスとして使う前に、そのウォレットが対応しているか確認が重要です。

 

また、primary name(プライマリ名)という逆方向の仕組みもあります。通常のENS検索は「名前→アドレス」ですが、プライマリ名は「アドレス→名前」となり、アプリが「0x71C7...」の持ち主を「alice.eth」と表示できるようになります。プライマリ名の設定は任意です。アプリ側は、両方のレコードが揃っている場合のみENS名を表示します。

 

ENSの解決は現在、イーサリアムおよびEVM-compatible networksで利用できます。主なLayer 2対応ネットワークはArbitrum、Base、Linea、OP Mainnet、Scrollなどです。

方向できること必須?
順方向(名前→アドレス)「.eth」名で受け取り可能にするはい(ENSで受け取る場合)
逆方向(アドレス→名前)アプリ上で「0x…」の代わりに名前表示任意

ENSとウォレットの関係

すべてのウォレットがENSに対応しているわけではありません。対応していれば、送信画面で「.eth」名を入力するだけで自動的に解決され、生のアドレスを貼り付ける必要がなくなります。Tangem appでは、version 5.28(September 15, 2025リリース)からENSに対応しました。Tangem appで仮想通貨を送る際、受取アドレスを手入力・QRコード読み取り・「.eth」名入力のいずれでもOK。アプリが名前を解決し、アドレス欄に自動入力してくれます。

 

ENS対応は送信フローの一部なので、受取欄に名前から入力を始められます。アプリは解決したアドレスを表示し、あなたが確認してから送金します。初めて送る相手の場合は、必ず相手が確認済みのアドレスやQRコードと照合してください。これはとても重要です。たとえば「colleague.eth」に500 USDTを送る場合、名前を入力し、アプリが解決したアドレスを表示、あなたが確認して送信。コピーミスや一文字違いによる損失リスクが大幅に減ります。

 

Tangem appはiOS and Androidで無料提供中。Tangemのハードウェアカードと組み合わせれば、署名処理はカード内でオフライン実行されます。アプリがENS解決を行い、カードが暗号署名を担当。どちらもsecure elementから秘密鍵を外に出す必要はありません。Tangem appのENS機能は送金時に利用できます。

ENSができないこと

  • ENS自体はウォレットではありません。資金を保管したり、秘密鍵を生成・保護したりする機能はなく、既存アドレスの上に乗る「名前付けレイヤー」です。

     

  • また、完全な共通規格でもありません。ENSはイーサリアムおよびEVM互換チェーンにネイティブ対応していますが、ビットコインアドレスをレコードとして登録できても、ビットコインネットワーク自体が「.eth」名を直接解決することはできません。

     

  • そして、利用は任意です。ENSを使わなくても仮想通貨の送受信は問題なくできます。長いアドレスでも十分機能します。ENSは、頻繁に送受信する人にとって読みやすさ・伝えやすさを向上させる「便利なレイヤー」にすぎません。

ウォレットが名前を解決し、結果を表示した後でのみ、その名前を使って送信してください。解決できない場合は、受取人から生アドレスやQRコードをもらいましょう。名前は入力時の助けにはなりますが、ネットワークが受け取るのはあくまで本来のアドレスです。

 

実際に大切なのは、相手側のウォレットやアプリがENS解決に対応しているかどうかです。もし相手がENS非対応のウォレットから「yourname.eth」へ送金しようとすると、取引が失敗したり、どこにも届かない場合があります。自分の「.eth」名を支払い用アドレスとして共有する前に、送信者側のウォレットがENS解決に対応しているか必ず確認しましょう。

よくある質問

  • ENS名はアドレスを分かりやすく伝える手段であり、必ずしも相手本人のものとは限りません。送金前に、信頼できる方法で相手と解決後のアドレスを照合してください。

  • ウォレットが表示したアドレスを、受取人が確認済みのものと必ず照合しましょう。不明な点があれば、送金せず生アドレスやQRコードを再度確認してください。

  • 見覚えのある名前でも、そのまま送金せず、必ず受取人に送信先アドレスの確認を依頼してください。

  • ENS非対応のアプリもあります。その場合は、受取人から生のウォレットアドレスやQRコードをもらい、それを使って送金してください。

  • 必ずしもそうとは限りません。送信側のウォレットがENS解決に対応している必要があります。非対応の場合は、生アドレスやQRコードを共有しましょう。

  • いいえ。通常のウォレットアドレスだけでも送受信は可能です。ENSはアドレスを分かりやすく伝えるための仕組みです。

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著者 Rukkayah Jigam

Writer & editor covering digital assets and product updates.

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レビュー担当者 Patrick Dike-Ndulue

Senior editor covering crypto, onchain equities, and technology.