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暗号資産とはなにか?

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暗号資産は21世紀で最も変革的なテクノロジーの1つであり、お金に対する私たちの理解と使用方法を変えてきました。この記事では、暗号資産について包括的に解説します。

暗号資産の基本

暗号資産は、取引のセキュリティを確保し、暗号化技術により新しい通貨の生成を制御できるデジタル通貨です。

中央銀行が発行する従来の通貨(ドルや円)とは異なり、暗号資産は分散型ネットワーク上で機能します。ブロックチェーン技術を使用することで、透明性とセキュリティの高い取引記録を維持することができます。

基本的な特性は以下のとおりです:

  • 分散化:単一の組織が暗号資産をコントロールすることはありません。変更はコミュニティの合意によって行われます。コミュニティ内で意見の相違が生じた場合は、フォークが発生する可能性があります。
  • 不変:ブロックチェーンの記録は暗号化されており、一切変更できません。取引が一度行われると、たとえそれが間違いであっても元に戻すことはできません。
  • デジタル:暗号資産はデジタル形式でのみ存在し、物理的な通貨はありません。
  • 暗号化:セキュリティと新しいユニットの作成は暗号化に依存します。
  • ピアツーピア:取引は多くの場合、仲介者なしでユーザー間で直接行われます。

暗号資産とブロックチェーン

ブロックチェーンは、コンピューターネットワーク全体の取引を安全かつ透明で、改ざん不可能な方法で記録する分散型デジタル台帳です。各取引は「ブロック」にグループ化され、これらのブロックは時系列でリンクされて「チェーン」を形成します。

これは、ほとんどの暗号資産を支える基盤技術です。分散型台帳は、コンピューターネットワーク全体のすべての取引を記録しています。

暗号資産の歴史

概念としての暗号資産の誕生は、1980年代後半に遡ります。しかし、最初の分散型暗号資産であるビットコインが誕生したのは、2009年になってからでした。簡単なタイムラインは以下のとおりです。

  • 1983年:アメリカの暗号学者David Chaumが、eCasと呼ばれる匿名の暗号電子マネーを考案。
  • 1998年:Wei Daiが、匿名の分散型電子キャッシュシステムである「b-money」の説明を公開。
  • 2008年:Satoshi Nakamoto(仮名)がBitcoinのホワイトペーパーを公開。
  • 2009年:初のオープンソースBitcoinクライアントのリリースと、初のBitcoinの発行により、Bitcoinブロックチェーンが稼働開始。
  • 2011年〜現在:Litecoin、Ethereum、その他数千種類の暗号資産(「アルトコイン」と呼ばれることが多い)が多数稼働している。

暗号資産の仕組み

暗号資産の取引が開始されると、コンセンサスアルゴリズムを通じ、ネットワークノードが検証を行います。検証された取引は新しいブロックにグループ化され、ハッシュ化された後に、ブロックチェーンに永続的に追加されることになります。このプロセスにより、暗号資産システムの整合性とセキュリティが仲介者なしで維持されます。

人気の暗号資産には、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、カルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)などがあります。それぞれに独自の機能と使用用途があり、多様な暗号資産エコシステムに貢献しています。

暗号資産の種類とカテゴリー

暗号資産は、ステーブルコイン、ミームコイン、ユーティリティトークンなど、さまざまなカテゴリーに分類できます。いくつかについて説明しましょう。

1. 通貨型コイン

通貨型コインは、デジタルマネーまたは価値の保存手段として開発された暗号資産です。安全で高速、かつ低コストな取引を可能にします。日常の支払いに、従来の法定通貨を置き換えることを目的としています。例:ビットコイン(BTC)。分散化とセキュリティに重点を置いた最初の暗号資産で、「デジタルゴールド」と呼ばれることもあります。

2. プラットフォームトークン

プラットフォームトークンは、ブロックチェーンエコシステムと分散型アプリケーション(DApps)の基盤として機能します。これらのトークンは、スマートコントラクトを強化しながら、開発者がプロジェクトを構築できるようにし、エコシステム内での取引を促進します。

例:

  • イーサリアム(ETH):DAppsとDeFiプロジェクトを構築できる、最も人気のプラットフォームです。
  • ソラナ(SOL):高速かつ低コストの取引で知られ、大規模なアプリケーションに最適です。
  • Sui(SUI):ピアレビューされたブロックチェーンで、スケーラビリティ・セキュリティ・持続可能性に重点を置いています。

3. ステーブルコイン

ステーブルコインは、法定通貨(USD、EUR)やコモディティ(金)などの資産に価値を固定することで、ボラティリティを最小限に抑えるように設計されています。法定通貨と暗号資産の架け橋となるため、取引・支払い・送金に便利です。

例:

  • テザー(USDT):米ドルに固定されており、取引や流動性のために広く使用されています。
  • USDコイン(USDC):法定通貨の準備金に裏付けられた、規制済みかつ透明性の高いステーブルコイン。
  • DAI:イーサリアムネットワーク上の担保資産に裏付けられた、分散型ステーブルコイン。
  • USDe:Ethena Labsが開発した合成ドルステーブルコイン。

4. ユーティリティトークン

ユーティリティトークンは、ブロックチェーンプロジェクト内のサービスや機能へのアクセスを提供します。例えば、取引の支払いや、コンテンツへのアクセス、またはネットワークへの参加の報酬としてよく使用されます。

例:

  • Chainlink(LINK):分散型オラクル ネットワークを強化し、スマートコントラクトを現実世界のデータに接続します。
  • Filecoin(FIL):分散型データの保存と取得を容易にします。
  • MANA:仮想世界での取引に使用される、Decentralandのネイティブトークン。

5. リアル・ワールド・アセット(RWA)トークン

RWAトークンは、会社の株式や、不動産、金融商品などの資産の所有権を表します。これらは伝統的な証券と同様に、投資家に配当や投票権などの権利を提供することができます。

例:

  • Pendle:タイムディケイ資産(時間とともに価値が減少する資産)をサポートするAMMを使用し、将来の利回りのトークン化と取引を可能にします。
  • ONDO:ブロックチェーンを介して、機関投資家レベルの金融商品へのアクセスを個人投資家へ提供することを目指しています。
  • Mantra(OM):規制された暗号資産取引所の所有権を表します。

6. ガバナンストークン

ガバナンストークンは、保有者にブロックチェーンプロジェクトまたはDeFiプラットフォーム内の意思決定プロセスに参加する権利を与えます。トークン保有者は提案・変更・アップグレードに投票し、プロジェクトの将来に影響を与えることができます。

例:

  • Uniswap(UNI):分散型取引所Uniswapのアップグレードや料金体系に投票できるようにします。
  • Maker(MKR):保有者はDAIステーブルコインエコシステムに影響を与えることができます。
  • Aave(AAVE):DeFiレンディングプロトコルAaveの変更に対する投票権を付与します。

7. プライバシーコイン

プライバシーコインは、匿名性と追跡不可能な取引の提供に重点を置いています。高度な暗号化技術を用いて、送信者・受信者・取引金額を非表示にします。

例:

  • Monero(XMR):リング署名とステルスアドレスを使用してプライバシーを確保します。
  • Zcash(ZEC):ゼロ知識証明を通じ、オプションのプライバシー機能を提供します。
  • Dash(DASH):匿名取引用のオプションの「PrivateSend」機能があります。

8. ミームコイン

ミームコインは通常、ジョークまたはコミュニティ主導のプロジェクトとしてローンチされますが、人気や憶測により大きな価値を獲得する可能性があります。多くの場合、エンタメ資産であること以外にはほとんど実用性がありません。

例:

  • Dogecoin(DOGE):ジョークとして始まりましたが、コミュニティのサポートと有名人の支持により人気になりました。
  • Shiba Inu(SHIB):強力なコミュニティとエコシステムの成長を伴う、Dogecoinに影響を受けたトークンです。
  • PNUT:人気のSolanaミームトークンです。

9. NFT(非代替トークン)

NFTは、アート・コレクション・音楽・バーチャル不動産などのユニークなデジタルアイテムの所有権を表します。各NFTは唯一無二であり、暗号資産のように1対1で交換することはできません。

例:

  • CryptoPunks:それぞれがユニークな特徴を持つ初期のNFTコレクション。
  • Bored Ape Yacht Club(BAYC):会員限定の特典がある人気のNFTコレクション。

10. ラップドトークン

ラップドトークンは、異なるブロックチェーン上の暗号資産を表し、チェーン間の相互運用性を実現します。元の資産の価値は維持されますが、別のブロックチェーンで機能します。

例:

  • ラップドビットコイン(WBTC):ビットコインをEthereumネットワークのDeFiアプリ上で使用できるようにします。
  • ラップドイーサリアム(WETH):特定のスマートコントラクトとの互換性のためにラップされたイーサリアム。

11. 取引所トークン

取引所トークンは、暗号資産取引所によって発行され、取引手数料の削減・ステーキング報酬・投票権などの特典を提供します。これらのトークンは、取引所が成長するにつれて価値が上がることがよくあります。

例:

  • Binanceコイン(BNB):Binanceでの取引手数料の割引やステーキングに使用されます
  • OKBトークン(OKB):OKX取引所で同様の特典が提供されます。

暗号資産が生まれる過程:マイニング

暗号資産マイニングは、複雑な数学問題を解くことで、新しいコインを生成し、ブロックチェーン上の取引を検証します。マイナーは暗号パズルを解くために競争し、最初に成功したマイナーがブロックをブロックチェーンに追加することになります。そして、新しく作成されたコインと取引手数料を報酬として獲得します。

このプロセスは、取引データをブロックに収集することから始まります。マイナーは特定の基準を満たすハッシュを探し、解決策が見つかると、他のマイナーによって検証が行われます。検証が終わると、ブロックが追加され、ネットワークのセキュリティが維持されます。

暗号資産を購入する最も安全な方法は?

暗号資産を購入する最も安全な方法は、評判が良く規制を遵守した取引所を使用することです。取引所のURLが正しいことを確認し、安全な支払い方法を使用してください。また、安全性を高めるために、ハードウェアウォレットを通じて暗号資産を購入することもできます。

Tangemウォレットでの暗号資産の購入方法については、こちらの記事をご覧ください。

暗号資産を保管する最も安全な方法は?

暗号資産を保管する最も安全な方法は、オフラインで保管することです。暗号資産ハードウェアウォレットはまさにそれを実現するもので、その中でもTangemは評判が高いプロダクトです。ハードウェアウォレットとTangemの詳細はこちらの記事をご覧ください。

最もセキュリティレベルの高い暗号資産は?

セキュリティは、分散型ブロックチェーンテクノロジーの重要な側面です。ビットコインは、買い手と売り手に優れたセキュリティを提供するために開発され、今日まで絶対的なセキュリティを保っています。

暗号資産に投資する前に考慮すべき4つのこと

暗号資産を購入・売却する前に、主なリスクを理解しておく必要があります。考慮すべき4つのポイントは以下のとおりです。

1. 暗号資産の価格は非常に不安定である

暗号資産の価値は短期間で劇的に変動します。価格は数時間のうちに1割以上急騰したり、または急落する可能性があります。過去のパフォーマンスが必ずしも将来の結果を示すわけではないことを忘れないでください。慎重になり、失っても構わない金額のみ投資することを心がけてください。

2. 暗号資産では詐欺が多い

詐欺師は、人々を騙してウォレットの秘密鍵を渡させるためにさまざまな戦術を採用しています。これらの詐欺には、ソーシャルエンジニアリング、エアドロップ詐欺、フィッシングキャンペーンなどがあります。ハニーポットトークンも、ユーザーから資金を奪うために存在します。

3. 暗号資産は規制がほとんどない

暗号資産業界の規制の枠組みは、従来の伝統的な資産と比べて未だ厳格ではありません。例えば、暗号資産取引所が破産に直面した場合、ユーザーは資金を失うリスクがあります。さらに、暗号資産のキャピタルゲイン税は管轄区域によって異なる点についても注意してください。

4. 分散投資が大切

何千種類もの暗号資産が存在するため、大きな成果をもたらす可能性のある暗号資産を見つけだすことは非常に困難です。あらゆるハイリスク投資と同様に、さまざまな暗号資産に分散投資することが賢明な戦略となるかもしれません。

よくある質問

暗号資産は従来の通貨と比べてどの程度安全ですか?

暗号資産は分散化と暗号化により独自のセキュリティ機能を備えていますが、ハッキングや詐欺などのリスクもあります。

主なセキュリティ上の脅威は何ですか?

主な脅威には、取引所やウォレットのハッキング、フィッシング詐欺、マルウェア、スマートコントラクトの脆弱性などが挙げられます。

暗号資産への投資をどのように保護できますか?

評判の良いハードウェアウォレットを使用することが必要不可欠です。 また、多要素認証(MFA)を有効にし、秘密鍵またはシードフレーズを保護し、暗号資産アプリ・ソフトウェアを常に更新し、フィッシングに対して警戒を怠らないでください。

ホットウォレットとコールドウォレットの違いは何ですか?

ホットウォレットはオンライン上に秘密鍵を保存するため、ハッキングに対して脆弱です。一方、コールドウォレットは秘密鍵をオフラインで保存して取引に署名するため、セキュリティが強化されます。

新しい暗号資産に投資しても安全ですか?

新しい暗号資産や、世間であまり知られていない暗号資産への投資は、セキュリティ上の脆弱性や潜在的な詐欺のためリスクが高くなります。誰かの意見を鵜呑みにするのではなく、投資する前には自分自身で徹底的な調査を行ってください。

暗号資産はハッキングされる可能性がありますか?

暗号資産自体はハッキングされる可能性は低いですが、暗号資産取引所やウォレットはハッキングされる可能性があります。

不正アクセスが疑われる場合はどうすればよいですか?

不正アクセスが疑われる場合は、まずアクセスを無効にし、パスワードを変更して、プラットフォームのサポートチームに問題を報告してください。

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著者紹介 Tangemチーム

私たちは少人数のTangemユーザーのチームで、誰もが暗号資産を簡単かつ安全に自己管理できるよう取り組んでいます。