リアル・ワールド・アセット(RWA)トークンとは?

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リアル・ワールド・アセット(RWA)は、現実世界の物理的な資産をトークン化した暗号資産です。これらの資産には、債券・不動産・コモディティ・機械などが含まれます。RWAはこれら現実世界の資産を分散型金融(DeFi)スペースに持ち込むことで、よりアクセスしやすくし、新しい機会を切り開きます。

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RWAを理解する

リアル・ワールド・アセット(RWA)は、現実世界に存在する資産です。その価値と所有権は世界中で認知されており、取引・投資・その他の金融活動を行うことができます。

RWAを使用して現実世界の資産をブロックチェーンに取り込むことは、2024年の暗号資産の中心的なナラティブとなる重要なイノベーションといえます。

現実世界の資産をトークン化することにより、ブロックチェーン上で簡単に買付・売却・取引できるようになります。従来の現実資産とデジタルテクノロジーを融合し、購入者と資産所有者の流動性・アクセス性・透明性を向上させることを目的としています。

 

RWAトークンが重要な理由

株式や債券などの伝統的な資産は、世界の金融市場の価値のかなりの部分を占めています。それらに投資するには多くの場合、多額の先行投資が必要です。例えば、債券はさまざまな金額で入手可能ですが、通常は多額の投資が必要であり、多くの人々にとって投資するのは困難です。また、国の法律に基づく制限により、これらの資産へのアクセスが制限されることもあり、裕福な個人だけが投資できる場合があります。

不動産やコモディティは、すぐに換金するのが困難です。これらの資産の売却には時間がかかり、流動性をすぐに必要とする人にとっては複雑で不便かもしれません。

暗号資産のRWAトークンは、資産を部分的に所有することができるため、投資しやすくなります。つまり、不動産や債券などの資産の一部を、トークンとして購入できるということです。この方法により、これまで敷居が高かった市場に多くの人々がアクセスできます。

ブロックチェーン技術は、地理的および規制上の障壁を取り除くことができます。これにより、世界中の人々が、世界中の資産に自由に投資できるようになります。

つまりトークン化することにより、より多くの人々が様々な資産に投資可能になります。 RWAは、従来の金融と新しいデジタル技術を結び付け、すべての人にとってより公平な市場を創出することができます。

 

どんな現実資産をトークン化できる?

リアル・ワールド・アセット(RWA)は、暗号資産の世界で急速に重要な存在になりつつあります。以下は、トークン化が可能な現実世界の資産の一例です。

  • 債券:債券のRWAトークンを保有すると、投資家は利息収入を得ることができます。米国財務省証券などの政府債券が、これらのトークンの裏付けとなります。
  • 不動産:トークン化された不動産に投資することで、人々は不動産を部分的に所有することができます。賃貸収入の一部を得ることができるため、不動産投資がより身近なものになります。
  • 商品:美術品をトークン化することで、絵画や彫刻の一部を所有して収益を得ることができます。これにより、高価な美術品を購入する余裕のない人にとって、美術品への投資が容易になります。
  • 機械:多くの企業は、産業機器などのトークン化を検討しています。所有権と使用権を共有できるため、これらの資産をより有効に活用できるようになります。

     

現実世界の資産をトークン化する方法

トークン化とは、現実世界の資産をブロックチェーン上のデジタルトークンに変換することを意味します。現実世界の資産をトークン化するには、以下の手順を踏みます。

  1. 資産の選択:トークン化するための現実世界の資産は、市場のセンチメントや需要、または規制条件に基づいて選択されます。
  2. トークンの標準とタイプ:トークンのタイプ(例:通貨やNFTなど)と、使用するトークンスタンダード(ERC20など)が選択されます。
  3. ブロックチェーンの選択:パブリックまたはプライベートのブロックチェーンネットワークを使用してトークンを発行できます。
  4. オフチェーンデータの同期:トークン化された資産のほとんどは、安全なオラクルからの信頼性の高いオフチェーンデータを必要とします。プルーフ・オブ・リサーブ(PoR)などの認証済みサービスは、トークンを裏付ける資産を検証することで、投資家との信頼関係の構築に役立ちます。
  5. トークンの発行:スマートコントラクトは選択されたネットワーク上でローンチされ、トークンがミントされた後に使用可能になります。

     

時価総額上位のリアル・ワールド・アセット(RWA)コイン

  • Mantra(OM)

MANTRAは、機関投資家や開発者向けに設計された、セキュリティ重視のRWAレイヤー1ブロックチェーンです。現実世界の規制に準拠していることを保証するのが特徴です。Cosmos SDKを使用して構築されており、PoSバリデータセットによって保護されています。Mantraには、規制に準拠したRWAを管理するためのモジュール、SDK、APIが組み込まれています。

  • Ondo Finance (ONDO)

Ondo Financeは、DAO、機関投資家、個人投資家など、DeFiエコシステムのさまざまな関係者にサービスを提供する分散型投資銀行です。Ondoは、10を超えるDAOとのパートナーシップとステーブルコイン発行者(FEI、FRAX、UST、RAI)からの協力を得ています。流動性サービスの先駆者であり、分散型取引所でのトークン取引を促進しています。

  • Quant (QNT)

ロンドンを拠点とするQuant Networkは、Overledgerオペレーティングシステムを使用して、ブロックチェーン技術の変革を目指しています。このプラットフォームは、大規模な分散型マルチチェーンアプリケーションの開発を可能にする、相互運用可能なブロックチェーンOSです。Overledgerは様々なネットワークをブロックチェーンに接続し、ユーザーが単一のベンダーやテクノロジーに制限されないようにします。人・機械・データのための安全でオープンなネットワークを構築することで、インターネットの本来のビジョンを実現することを目指しています。

  • Maker (MKR)

MakerDAOは、仲介者なしで担保付きローンを可能にするEthereumベースのプロトコルです。スマートコントラクトを利用して借入と貸出を管理することで、DeFi分野の主要プレーヤーとなっています。このプロトコルには、ローンの価値を規制するのに役立つ2種類のトークン、DAIとMKRがあります。

  • Polymesh (POLYX)

Polymeshは、規制対象の資産向けに設計された許可型ブロックチェーンで、ガバナンス・アイデンティティ・コンプライアンス・機密性・決済の問題に対処します。ネイティブトークンのPOLYXは、ステーキングや取引手数料、ガバナンス参加に使用されます。 POLYXは、セキュリティトークンの作成と管理、ネットワークのセキュリティ保護、Polymeshエコシステム内でのエンゲージメントを促進します。

Cryptorankによると、185以上のトークンがRWAに分類されています。それらの時価総額は106億2000万ドルを超えており、前月より61%増加しています。
 

現実世界の資産をトークン化するメリット

トークン化された資産は、従来の資産よりも流動性が向上し、アクセスしやすくなります。また、ブロックチェーン上の管理は透明性が高く、取引の摩擦も少なくなります。

金融資産の場合は、トークン化により、流通・取引・清算・決済・保管が1つのレイヤーに合理化されます。また、カウンターパーティリスクが軽減され、より効率的な資本動員が可能になります。
 

現実世界の資産をトークン化する際の課題

現実世界の資産(RWA)のトークン化には様々なメリットがある一方で、課題もあります。例えば、各国の規制の違いは大きな懸念事項であり、現地の法律を遵守する必要があります。

さらに、詐欺やハッキングのリスクがあるため、デジタル資産のセキュリティは極めて重要であり、堅牢な保管ソリューションとセキュリティ対策が不可欠です。
 

DeFiにおけるRWAの役割

トークン化された現実世界の資産(RWA)は、分散型金融(DeFi)を大きく変える可能性があり、ブロックチェーン技術が金融活動を改善できることを示しています。世の中のほとんどの資産はブロックチェーンエコシステムの外にありますが、RWAを通じてこのテクノロジーの恩恵を受けることが可能となります。

現実世界の資産をブロックチェーン上に取り込むことで、流動性・透明性・リスクの低減、そしてより公平なインフラストラクチャを備えた金融システムが実現します。つまり、少数の人々がシステムを悪用することが今より困難になるでしょう。